2010年5月17日月曜日

能登へ

帰国してしようと思っていたことはたくさんあり、その中で優先順位が高いことの1つに「能登に行くこと」がありました。石川県、能登半島のさきっちょにじいちゃんばあちゃんが住んでいます。毎年家族は盆と正月に行っていたのですが、私は社会人だった4年間、盆も正月も仕事だったので(お盆休みは少しあったけど)、全く訪れておらず、帰ったらじいちゃんばあちゃんの顔見に行かなくちゃ!とずっと思っていたのです。


車の運転なんて旅行中の1年全くしなかったのですが、車がないと不便で仕方がないのでレンタカーです。私の周りの人は私の運転を信頼しませんがきちんと運転できます。えへん。



日本に帰ってきてまず思ったことが、家々はそれぞれ好き勝手な方向を向いて好き勝手に建てられていて、景観に対してあまり気を遣っていないのではないか、ということでした。合理性とか効率を考えて街が作られていて(それは日本人が望んできたことの結果ですが)、美しさみたいなものが、あまり、ない、ということでした。

それが、能登は、美しかったのです。今まで何度も行っていたのですが、そんなこと思いもしなかったのに。古い家々ってこんなに美しい形をしていて、山の色ってあんなにすてきなのだ、と。日本って美しい、ということが改めて分かったような気がします。この土地は、美しさや景観を考えられて現状があるのかと言ったらそうでは決してなく、過疎が進んで若者は街を離れ、じいさんばあさんが古い家に古いまま住み続けているから残っているだけで、古い家々は暮らしやすいかと言ったらそうではありません(私は1日にきっと50匹以上のカメムシを見ました)。

美しいからこのまま残してほしい、というのはそこに住んでいない人間の無責任な意見だということをわかってはいるのですが、それでもこのまま残ってほしい、と思ってしまいます。


金沢からは電車で帰ってきました。
時間があったので金沢をぶらぶら美術館まで歩いてきました。お寺発見です。



金沢の21世紀美術館です。残念ながらこの日は休館日でした。
このときは、ヤンファーブル×舟越桂の展覧会でした。まだまだ続くようです。
相変わらず、背すじのぴんとする建物です。光の入り方も好きです。


数年前、この美術館に行ったときの展覧会は「人間は自由なんだから」というものでした。
このタイトル、力強い言葉だと思います。

人間は自由なんだから、です。


バンコクのニュースを見るたび胸がぎゅっとなります。中心部で占拠する人たちの疲れた顔やそこにいる子どもたち、バンコクに住む知人や、よく行っていたコーヒー屋さんのおばちゃんの顔を思い出すたびに。
早く争いごとが終わってそれぞれの平和で穏やかな生活が戻ってくるように、と願ってやみません。

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