2010年11月13日土曜日

ルイス•バラガン


メキシコシティでぜひ見たいと思っていたものに、ルイス•バラガンの建築があります。

ルイス•バラガンを私に教えてくれたのは、見ているものがとても近い、1人の友人でした。
前回の旅に出る直前、建築についての雑誌が3冊、家に彼女から送られてきました。
1つの特集はガウディ、1つはル•コルビュジェ、そしてもう1つがルイス•バラガンでした。
「これ、絶対に好きになるはずだから、読んでみてね」と。

それ以来ずっと心にひっかかっていたルイス•バラガンの建築。
いつか見てみたいと思っていたものを見る機会に恵まれ、メキシコシティで見に行ってきました。

行ったものは、彼自身のために作ったルイス•バラガン邸と、「トラルパンの礼拝堂」と呼ばれるもの。

バラガン建築が語られるとき、「光」ということばがよく使われるような気がするのですが、その意味がなんとなくわかりました。
光の入り方、影の形、目に入る光景、その色、全てがぴんとしているようでした。

2つとも、とてもとてもすごかったのですが、特に印象的だったのは礼拝堂です。
礼拝堂に一歩入った途端、鳥肌が立ちました。
あの空気とか光の感じを何と言えばいいのだろう、と思います。
それはもう、ことばにならなくて、その空間で肌でしかわからないことのような感じでした。
ぴんとしていて、凛としていて、とにかく美しくて、空気が澄んでいて。
あまりに美しく、あまりに完璧で、目に見えないものの存在を信じる気持ちになる、というか。

思ったことは、バラガンという人は、とことん考えて、全く妥協せず隙を作らず、100%を求めてあの礼拝堂を作ったのだろうな、ということ。
こういうことが、空間で、その中の空気で、ぴんと分かってしまうこと。
私が考えている以上に、空気はいろいろなことを伝えるのかもしれないな、と思ったのです。


内部の写真撮影は一切禁止されているので写真がないのですが。
それでも、写真を撮ることができない分、体全体でその建物の空気を感じられるし、見ることに対する真剣味が違うような気がしたのです。

バラガンを教えてくれた友人に感謝します。
たくさんのいいものをいつも教えてくれてありがとう。


建物を見たときの以前の感想を。よかったら読んでいただけると幸いです。

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