2010年12月10日金曜日

キューバというところ


キューバに行ってみたいと思っていました。

それは、映画「ブエナ•ビスタ•ソシアル•クラブ」を見たときから。
老人たちが実に実に楽しそうに演奏していて、生きていて、こんな人たちがいるキューバってどんな国なのだろう、と思ったから。
老人が隅に押しやられていなくて人として生きている社会は、それだけで私はいい社会だと思います。住むのであればそういうところ、と思います。

それに、「社会主義国」の中に入ってみたかったから。
中国もベトナムももう完全な社会主義国ではなく、資本主義の波の中にあるように見えたから。数十年前はいくつかの国が社会主義だったのに、そして社会主義の利点とかいいところもあったはずなのに、気がつけば世界中のほとんどの国は資本主義社会になってしまったから。
今もまだ、アメリカの影響を受けない国というものを見てみたかったから。

だから、キューバ。
私にとって日本からはあまりに遠かったから、中米にいるうちに行っておこう、と思ったので、行ってきました。








着いてまず思ったことは、いろいろなものが、古い、ということ。
古くて、日本だったら処分されてしまいそうなぐらい古くてぼろぼろなものが、あふれていました。建物も、車も、人々が生活で使うものも、とにかく何でも。政府の建物でさえ。

そして、噂通り、ものが少ない、ということ。
スーパーの棚はがらがらだし、少ない商品をうやうやしくガラスケースに入れているし、市場に行っても野菜も果物も、少ない。(キューバ人はあまり野菜を食べないことも関係しているかもしれませんが。)

キューバでは、ものがない中、人々は何でも直しながら再利用しながら生活していました。
車や建物や服や靴を直すのはもちろんのこと、ライターにガスを入れることまで。買い物に行ったら袋がもらえないのは当然だし、例えばパンを買ってもパン屋さんがくれるのはパンをそのままで、みな自分で袋を持ってきたり、もしくはそのまま受け取って手で食べたり。
ある日私の前を横切った自転車があまりにまぶしかったので見てみたら、反射板の代わりとしてCDが自転車の後ろにつけてありました。

あるものでいかに暮らすのか、自分の周りのものでいかに楽しく暮らしやすく生活するのか。
それは必要性から生まれたことかもしれないけれど、キューバ人はそれが長けているということを思いました。

消費型の資本主義社会と、あるものを工夫して使い続ける社会主義社会。
国として、将来のビジョンがはっきりと見えるのはどちらなのだろう、もしまた世界が大きく変わったときに影響や被害をあまり受けずに過ごせるのはどちらなのだろう、ということを考えてしまいます。

どちらがいいとかどちらが悪いとかでは決してないのですけれど。
それでも考えずにはいられません。


2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    非常に興味深い記事です。とても興味深い内容でした。
    どうもありがとう。ためになります。

    一番下の写真、いいね。僕も早く行きたいな〜
    日本は寒い真冬です。昨日は雪でした。

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  2. barrameda兄さん、こんばんは。

    コメントありがとうございます。
    そんなそんな。そう言ってもらって恐縮です。
    でも、ほんとにほんとに興味深いことがたくさんあったのです。
    世界が確実に違っていて。社会システムが違うだけで、こんなに空気が変わるんだ、と思ったのです。
    ぜひぜひ行ってください。

    私が今いるところ、メキシコのグアテマラ国境に近いところなのですが、
    ここも寒いです。日本の11月ぐらいの気候です。

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