2009年12月9日水曜日

パキスタンからインドへ

国境を抜けると、そこはインドだった。

と川端康成的に始めてみましたが、国境のゲートを一歩出た途端、私たち(ラホールの宿で会ったスウェーデン人と私)の周りを、5,6人のインド人がとりかこみ、
「タクシー?タクシー?」
「DVD?DVD? ポストカード?」
「チェンジマネー?」
「どこ行くんだ?リキシャー?」
と迎えてくれました。立ち止まって私たちが話をしようとすると話に割り込んでくるし、どこまでもどこまでもついてくるし。笑っちゃうくらい、そういえば、インドってこんなのだった・・・と、気合を入れてくれる国境を越え、インドに戻ってまいりました。

私がラワールピンディを出た4日後に、ラホールを出た翌日に、それぞれの町で自爆テロが起こりました。
私が無事だったことや、自分の目の前に映る光景が平和だったのは、自分が幸運以外の何でもなかったんだ、ということを思います。平和だなんて言うのは不謹慎かもしれないけれど、でも私には、そこは平和に感じたのです。人々が穏やかに暮らしているという意味において。
結局、私は旅行者としての視線でしかものを見ることができないことを、仕方ないとわかっていながらも、時々悔しく思います。私には見えない、もしくは見ていない、現実がある、ということをよく思います。


インド側の国境の町は、アムリトサル。ここでも、パキスタンで出会った何人もに再会しました。

パキスタンで何度も出会ったオランダ人と、「また会ったねー!」とヨーロッパ式のあいさつ(ほっぺを合わせて耳元でキス)をしていたときのこと。
「ヨーロッパの人は、こうやって、右、左と2回キスをするでしょ。」
うん。
「オランダ人はね、もう一回、戻って、ちゅって。3回。」(Back again,って。)
うわー、ステキだー!!!と思ったので、ご紹介。

あちこちで出会った人たちが、それぞれ無事でいい旅をしているということを知るのは、とてもうれしいのです。私もいい旅を続けなくちゃ、と思うのです。

私は今日、インド北部のダラムサラというところに着きました。
それでは、また。

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