2009年12月7日月曜日

さよならパキスタン

昨日、国境を越えて、無事インドまで戻ってきました。
2,3週間の滞在予定だったのが、パキスタンにいたのは、約5週間。

この国の全てを見たわけでも知っているわけでもないし、私は一人の旅行者としてしかものを見ることができないけれど、思ったことは、誤解を恐れずに言えば、「ここは平和だ」ということ。

平和、というのは、争いごとがない、という意味ではなく、人々が穏やかに暮らしている、という意味において。
おじさんたちはお茶を飲みながらよく笑っているし、珍しい外国人に子供たちは興味深々だし、女性はスカーフで頭を(時には目以外の全てを)隠しながらも「ハロー」と言ってくれるし、独身の男の人たちは気になっている女の子をどう口説くか一日中本気になって考えているし。
どこの国にもある、ふつうの、穏やかな生活が、ここにもありました。

この国の政治や外交には、問題が山積みなのかもしれません。
でも、困っている人がいたら助けるとか、人をもてなすとか、男性同士は握手して抱き合ってあいさつするとか、他者に対してこんなにもあたたかく愛情を持って接する人々がたくさんいるということが、少しずつでも着実に、この国がよい方向に向かっているような気がするのです。

自分が何も知らないことは百も承知で、ホットミルクの膜みたいに上の方しか触れていないこともわかっているし、こんなに気楽なことを言っていられないのかもしれません。
それでも、私は、パキスタンは、危ないだけのところではない、と思っています。迷ったけれど、行ってよかったと、思っています。

イスラムの宗派の違いによってこれ以上の対立が起きないこと、パキスタンの人々が安心して日常生活を送れる世の中になることを、心の底より願うばかりです。

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